子どもが主役です

中学受験というものが、そろそろ世の中に浸透してきた時代、それは今から20ほど前でしょうか・・・その頃の受験準備は、小学校4年生の2月から始め、受験まで丸々2年間、塾に通う、というのが一般的でした。それからまもなく「4年生からのカリキュラム」ということで、3年生の2月から3年間の準備、というのが普及していきました。
しかし、今ではどうでしょう?

少子化の影響は、受験産業に大きな影を落としています。
中学受験が一般化しても、小学生の絶対数が減少している中では、塾通いをしてくれる生徒達の数は、年々減っていくことになります。
そこで、中学受験塾が考えたこと・・・それが、受験準備の低年齢化、です。
1月2月の中学受験シーズンが終わると、テレビではCMが流れ、電車や駅、人の集まるところには、「小学1年生からの〇〇教室」や「低学年から始められる〇〇実験」など、興味をそそられるポスターが登場します。
昔は、「早くから始めるほうが、中学受験では有利」という、非常に直接的なキャッチフレーズが多かったように思いますが、今はソフトムード、ですね。中学受験準備と言ってしまうと、ちょっと両親に躊躇させてしまうだろう、という懸念があり、まずは「楽しい学び」ということが前面に押し出されます。
3年生向けとなると、さすがに「楽しい」という甘いお誘いではなく、「春期講習で力だめし」のような、少しだけ「押し」が入ってくるようです。

確かに、本来「学びとは、楽しいもの」です。知らないことを知り、出来ないこが出来るようになる・・・すばらしいですね。きっと子ども達は、ワクワクするでしょう。
泣き叫ぶと、ママが抱っこをしてくれることを学んだ0歳児も、ティッシュを引っ張ると、次のティッシュが出てくることを発見した1歳児も、アリの行列を初めて見た時の2歳児も、「学ぶ」ことは楽しかった、のです。
それは、小学生でも同じです!
初めて解けるようになった足し算や引き算。最後まで言えるようになった九九。難しい漢字が書けるようになることも、全部、子ども達にとっては、うれしくハッピーなこと、なんですね。
ところが、そこに競争や評価という要素が加わり、自分がほめられたり、叱られたりする・・・そんなことにつながっていく時点で、「学びは楽しくないもの」に化けてしまうのでしょう。

中学受験をするのは、子どもです。
受験準備を始め、塾通いをするのも、子どもです。

お父さんやお母さんは、受験する子どもの強力なサポーター!主役がどんなに上手く結果が出せない時でも、一生懸命に応援し、励まし、エールを送り続けてあげる!それがサポーターである親の役目であり義務なのです。

主役は子ども。
必死になるのは「子ども」であって「親」であってはいけません。
どうぞ、良いサポーターとして、正しい冷静な目を持ち、今は何をすべき時か?をしっかりと見極めましょう。
そして、決して受験産業が吹く笛に踊らされるのではなく、自分達で考え、自らの意思で喜んで踊ることが大切です。

1年生から〇〇実験教室に行くもの良し。2年生から「春期講習」や「夏期講習」に行くのも良し、です。ただ、そこで子ども不在であっては、本末転倒ですね。
付和雷同するのではなく、しっかり親として考え、我が子に良いチャンスを与えてあげてください。その時期、そのチャンスを見極めることこそが、親の責任だと思います。

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