受験準備のペーパーは?

験準備、イコール「ペーパー」 そう瞬時にイメージされる方も多いことでしょう。 確かに、ほとんどの学校の考査では、3枚から10枚程度のペーパー試験が行われ、同時にグループ内での行動を観察して、その子供の人柄や性格を見る「行動観察テスト」、簡単な運動をして、その子の指示行動への適応性や年齢相応の運動能力の有無を判断する「運動テスト」が実施されます。 しかし、何といっても、そのような考査の中で、最も小学校受験時に、親が心配をし、また一番力を入れて準備をさせなければいけない、と思われるのが「ペーパー」でしょう。 受験準備のための教室の中には、毎週、クラスの中で10枚以上のペーパーをさせ、なおかつそれ以上に宿題を課す、という教室もあれば、毎週、ほんの2,3枚程度しかペーパー学習をせず、宿題もなし、というような教室もあり、使用するペーパーの枚数には大きな差があります。  しかし、ここで一番わかっていなければならないこと・・・それは、ペーパーの持っている意味、なぜ小学校受験の考査の中に、ペーパーテストがあるのか?という意味、ですね。

ペーパーでは、子供のさまざまな分野での理解度を見、同時に、問題を解くために、どれだけの知恵をしぼり、努力をするか?ということを判断するために用いるものです。 こういう「ペーパーの意味」がわかっていれば、全くペーパーに力を入れない、という受験準備は片手落ちで、ペーパーを何もしなければ子供の理解度も、理解力も伸びてはいきません。しかし、かと言って、本来は「考えて、解く」という目的を度外視して、たんに「たくさんの枚数を訓練的こなすことによって、自動的に、反射的に問題を解かせる、というのでも、意味は違うでしょう。 確かに、子供の頭は柔らかいですから、理屈やメカニズムを理解していなくても、たくさんの枚数をさせることによって「何となくできるようになる」ということは多いものです。 しかし、このようにして出来る、解けるようになった場合には、少し目先のかわった出題のされ方をしたり、設問上の言葉が違ってしまうと、たちまちわからなくなる・・・そういう危険性もあるものです。 このように話を進めていけば、聡明なお母様ならば、すでにおわかりになったでしょう。 どのくらいのペーパーをさせれば良いのか?その答えは・・・『さまざまな分野の能力を伸ばすために用いるペーパーは、わが子が自らの力で考え、解いていけるようになるまでの枚数をすればよい』ということですね。

朝5時に起こしてペーパーを20枚させて幼稚園に送り出し、夜は眠いという我が子を叱咤激励して20枚のペーパーをさせる・・・こういうお母様は、全くペーパーの意味を理解していない、お利口ではないお母様です。

ブルの時代、小学校受験準備の主流は、ペーパーワークでした。いくつもの幼児教室のハシゴをし、行け行けGO!GO!的に、必死にペーパーをさせるお母様がたくさんいらしたものです。 しかし、そういう時代が終わった今では、「小学校受験はしたいけれども、私は子供にペーパーワークを強制したくない」という方も増えています。そういう方達の子育て上での考え方は「ペーパーは、本来の子供の姿を曲げるとんでもないものであって、子供は自由にのびのびと、自分の好きなことをして過ごすべき!小学校受験を考えたからといって、ペーパー学習を強要するような親にはなりたくない。ペーパー学習は、出来れば避けたい」というものです。 確かに、非常に洗練された考え方に聞こえます。この考え方は、受験、受験と走り回り、ペーパー学習に躍起になって、子供の本質的な成長の大切さを見落としてしまっている方々より正しいものです。しかし、概ね正しくはありますが、やはり、もっと大切なことは見落としてしまってるのです。 なぜならば、ペーパーを使っての学習は、やはり子供の潜在的な能力を引き出したり、今までは気づかず、そのままになっていた部分を、十分に伸ばしてあげることができる新しい刺激でもあるのです。

ペーパーはどれくらいすれば良いのか? この答えは・・・ お母さんが真剣に子供と向き合い、我が子の思考力、理解力をしっかりと判断し、我が子に一番合った枚数を見つけることです。 これは、カリキュラムによっても、きっと違ってくるでしょうね。1日にペーパーは○枚、と決めるのではなく、そのつど、問題の内容によって、子供の理解度に合った適切な枚数を判断すべきでしょう。

 ただ、子供の「わかった!」と「できる!」は違います。 たとえわかっても、間違わずにできるようになるまでには、それなりの練習は必要です。このことは、忘れずに!

▲上へ

小学校受験相談室