受験準備は宝物

我が子のために良い教育環境を!そう考えて始めた中学受験準備。
中学受験を考える家庭のニーズも多様化した今、塾は、一般的な大手の塾から、少人数制を売り物にする塾、個人指導専門の塾、ある学校にターゲットを絞ったような塾まで、多種多様です。

また、学校の情報は、インターネットの普及によって、簡単に手に入れられる時代になりました。少子化が進む中、どんな私立中学校も生徒獲得には非常に熱心で、偏差値が断トツの難関校を除いては、学校説明会は何度も開催され、入試の日程も複数になり、出題の傾向等、かなり深く、多く、開示されています。
もちろん、大手塾が主体になって開催する私立中学フェアなどでは、一度にたくさんの学校の資料や情報も得られますね。

しかし、吟味して選び、通いを始めた塾でも、いざ実際に通い始めてみると、それがどんな種類の塾であっても、なぜか常に「追われる思い」の毎日が始まる・・・中学受験の準備とは、残念ながらそういうものです。
親は戸惑い、「これで良いのだろうか?」と自問自答を繰り返す・・・でも、考えてみてください!親が不安になり、自問自答を繰り返している間も、我が子は毎日のように学校が終わるとバタバタとおやつを食べ、塾に行く支度をして、出かけていくではありませんか?

子ども達は塾で、算数、国語、理科、社会だけを学んでいるのではありません。もちろん、説明文の読み説き方、漢字、計算問題、電池と豆電球の関係、47都道府県の特産物、etc.etc. 子ども達は塾で繰り返し学びます。
でも、それだけではなく、子ども達は中学受験に向かうための、長い長い準備期間に、時には問題が何度やっても解けずに頭をかきむしり、泣いたり、叫んだり、イライラしたり・・・それでも一生懸命にがんばっています。そこで子ども達が学んでいるのは、決して4教科の学業だけではなく、「努力、忍耐力、継続する力、小さな達成感の繰り返し」なんですね。

子ども達にその自覚はないかもしれませんが、中学受験の準備をした子ども達は、たとえ第一志望、第2志望の学校に合格しなかったとしても、全員が、こんなすばらしい「人間としての生きる力」を学んでいるのです。

子ども達の尊い時間です。
塾通いが「かわいそうねえ・・・」などと思ってはいけません。がんばる子ども達に、がんばってるわね、偉い!という労いの言葉は絶対に必要ですが、必要以上に哀れに思ったりすることは、かえって罪なことであり、実際にはピンとはずれなことなのです。

中学受験の合否が、点数という数値によって決定されるものである以上、偏差値や塾での成績、テストの結果など、そういうものに親子で一喜一憂し、目を奪われるのは当然です。また、残念ながら数値はウソをつきません。その週、その課の出来不出来が、そのままで点数になる・・・
しかし、それでも尚、そういう数値だけに意識を集中してしまうのではなく、両親こそは数値だけでは表すことのできない様々な「力」や「子どもの成長」を感じ、評価する意識と心を持たなければ、あまりに中学受験の準備は虚しいものになってしまうでしょう。

子どもであれ大人であれ、人間はみな、自分が経験すしたすべての事から多くを学び、知恵をつけ、成長していきます。その事実を思えば、中学受験をする子ども達は、小学生としては少々過酷な準備ではあったとしても、やはりそういう中学受験準備をすることによって、大きく自分を成長させる様々なチャンスに恵まれた子ども達、と言うべきです!
そのチャンスを上手に利用し、貴重な財産、貴重な宝物とするか?それとも辛いだけの苦しい時間とするか?
それは大きく、親の意識にかかっています。

中学受験準備は、貴重な宝物、なんですよ!

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